医師の応召義務について

 2019年7月18日の社会保障審議会・医療部会において厚生労働省から報告があったようです。

 

以前から医師の応召義務に関しては不思議だなと思う事もありましたし、未払い患者さんに困っている医療機関も多いのではないでしょうか?

 

応召義務の解釈によっては、働き方改革に相反する方向に向かってしまいます。

患者さんの求めがあった際には常に対応しなければならないなら休む間などない、という事だと思います。

内容としては、病状によってわけているようです。

<症状が深刻な救急患者のケース>

●診療時間内・勤務時間内

診療が可能である場合に、診療しないことは不法行為と判断される可能性が高い

●診療時間外・勤務時間外

医の倫理上、応急的に必要な処置をとるべきだが、診療しないことは、原則として公法上・私法上の責任に問われることはないと考えられる。

<症状が安定していて救急対応が不要なケース>

●診療時間内・勤務時間内

原則は医療を提供する必要があるが、諸般の事情や医療機関・医師の信頼関係も考慮して緩やかに解釈される

●診療時間外・勤務時間外

診療しない事に問題はない。他の診察可能な医療機関の紹介が望ましい。

<患者さんの迷惑行為>

患者さんとの信頼関係が喪失している場合は新たな診療を行わないことあ正当化される。

<医療費不払い>

●以前に医療費の不払いがあっただけでは、診療しない事の正当化にはならない。

●保険未加入など医療費の支払い能力が不確定という理由だけで、診療しない事は正当化されない。

自由診療において支払能力を有しない患者を診療しない事は正当化される。

保険診療において、自己負担分の未払いが重なっている場合には(悪意のある未払い)に推定される場合もある。

 

働き方改革モンスターペイシェント対策・未収金対策は医療機関として非常に大きな問題だと思われます。

具体的に定まれば、対応がしやすくなるのではないかと思いました。